たくまくま先生の自由進度学習ふんとうき

現役小学校教師が、自由進度学習という学習方法について語ります。

最近の学校教育に対して思うことを、現役の小学校教師が本音で語ってみた。

 

 

 

 

1 最近の授業って正直・・・

 

(1) よく言われる話が正直ムカつく件について

 算数の授業って好きでしたか?私はあまり楽しかった記憶はありません。強いて言えば、小学校3年生の時、図形の問題で、四角形が書けたとき、当時の担任の先生に、「天才!」と言ってもらった時は心のそこから嬉しかったものです。それが理由で先生を目指し始めたわけですが。それはまた今後話すとして・・・

 よく算数の授業は、知識を身につけることや、技術を身につけることが大切だと言われます。なので、「一斉授業で身につけさせねば」と考えている先生が多いようです。

 本音を言ってしまえば、私はその考え方は間違っていると思います。なぜなら、知識や技術に重きを置いてしまうと、今後の社会では生き残っていけないと思うからです。

 ちょっと社会に出て働いている人なら、知識はChatGPTに、技術はAI搭載のロボットに置き換えられていく未来は容易に想像できると思います。批判するわけではありませんが、教員は、そこにはあまり気付けないと思います。

 学校の先生は、バイブルとして、文部科学省発行の、「学習指導要領」というものを持っています。これを読み込めば、知識や技能を身につけさせることよりも、「主体的に勉強をしていこうとする気持ちや態度」の方が大切だと考えていることがわかります。私もその考え方に賛成です。

 なので、教師が、「これを教えないと」や「これができるようにならないとまずい」と考えて一斉に教えていくことよりも、子どもが自分で、「これをやったら楽しそう」とか、「できた!次はこれをやってみようかな!」と思うような授業をやっていく必要があると思います。

 事実、教え込んで、すぐに知識を問うテストをやってみたことが何度かあるのですが、半分ぐらいの子供はそもそも話を聞いていませんでしたし、聞いていたとしても、テストは半分も解答ができませんでした。

 逆に、自由にやりたい順番で勉強していい環境を設定したり、勉強の仕方をたくさん提示したりして、自主的に学習を進めてからテストをすると、不思議なことにしっかりわかっていることが多いのです。(公立学校の教師なので、明確なデータをとる環境にないことが心残りです。)

 さらに不思議なことに、前学年まで、何もわからないからと諦めていて、勉強アレルギ ーであった子が、自由な環境になると、漢字テストでは満点をとり、笑顔で友達と授業を受けているのです。これは何なのでしょうか。

 

 この現象は何なのでしょうか。

 

 今までのように一斉に授業を行い、わからない子が置いていかれる状況と(もちろんベテランの先生で、魔法使いのような技術を持っている先生はそんなことはないと思いますし、そこを批判はしていません。)、苦手な子も授業に参加していけるような状況、どちらが望ましいのでしょうか。いうまでもないでしょう。

 なのに先生たちの中には、今までの授業から変えようとしなかったり、あれこれと理由をつけて不安だの、人手が足りないだの、他の授業形態を導入しないのです。

 

 もはや先生のエゴですよ。教えたいなんてのは。

 

 

(2) 子供は正直、教師は偽善

 

 教師は培ってきた経験があります。それはもちろんそうです。しかし子供にはそれがありません。これは変えようのない事実です。

 逆に子供には子供の論理があって、例えば、switchを持っていない子供は会話に入れないことだったり、YouTubeの内容が会話のネタになるので、流行りの動画を見なければいけなかったりすることは、多くの先生は理解していないのではないでしょうか。これも変えようのない事実です。

 ですから、教師と子どもとは、お互い全ては分かり合えないという意味で対等です。

 しかし、教師は発言力があり、権力があるという意味で、その分ずるい存在ではあると思います。子供は正直に「こうしたい」「ああしたい」と思っています。一方で、教師は、「こうしたらこうなるんじゃないかな」とか、「こうしたら子供がこう言ってくれるんじゃないかな」などと子供を操作しようとします。これは偽善だと思います。子供が何を言うか、何をするか、本来は自由なはずです。しかし、学校では、その自由を、単元の枠で縛って、不自由な環境を作っています。これは仕方のないことです。その中で、少しでも自由を担保するために、ときには子供に自由なタイミングを与えてもいいのではないでしょうか。これが私の考える自由進度学習の原点です。

 

2 自由進度学習をしたときの子供の反応

 

(1) 子供は本当は勉強が好きなんだ!

 子供は本当は勉強が好きなんだなと実感できています。自由進度学習にすることで、漢字テストの点数は、有意に向上しました。(データあり)それが嬉しかったようで、漢字の勉強に張り切って、一問間違えただけで、「悔しいからもう一回テストをしたい」と言ってきている状況です。やっぱり子供は、わかる、できることが本当に好きで、勉強も好きなんだなと感じます。

 今までのように、一斉にやっていて、この状況を作るのは、少なくとも私には難しく、若手の先生には至難の業だったと思います。それがこんなペーペーの私に作り出せているなんて、なんとコスパのいいことでしょう。

 

(2) 下を向いていた子が笑顔になった!

 いつも下を向いて席に座っていた子が、自由進度学習を始めてから、笑顔で問題を解き始めました。詳しいことはまた書きますが、席を移動してもいいこと、友達とやれること、そして、自分にあった問題をやれること、先生にいつでも聞けることなどが要因だと思います。

 私はもうこれが嬉しくって嬉しくってたまりませんでした。授業のたびに「何やったらいいの?」と聞いてきたり、ノートを書かなかったりしていた子が、自分から行動して、楽しそうに授業を受けているのです。これは教師冥利に尽きるというものです。

 また、いつも机で粘土をいじっていたり、本を読んだりして全く参加しなかった子は、私に、「プリントちょうだい」と言ってきて、自分から勉強に参加し始めました。これも本当に驚くと共に、いろんな先生から褒められました。まるで魔法のようだと。魔法ではありません。子供に寄り添って、今までの普通を変えただけです。これができることをやはり様々な場で伝えていかなければならないと痛感いたしました。

 

(3) テストでクスッと笑えるようになった!

 楽しいテスト、したくないですか?私は、テストにユニークな問題を出題し、かつその内容を事前に子供に伝えています。

 内容はまた別記事で詳しく書こうと思っていますが、とにかく、問題を解くだけのテストなんて、何の面白味がないというのが原点です。

一つ例を出すと、円のテストで、アンパンマンの作図の問題を出しました。この作図で、コンパスを使う技術や、半径、直径などの知識が身についているのかを確認しました。実際に子供たちは、授業でやらなければならない問題を解き終えたのちに、コンパスでアンパンマンを描く練習をしており、こちらで指示を出さなくても、コンパスを使う練習を自主的に行うようになりました。

 テスト中も、できる限りリアルなアンパンマンにしようと一生懸命に取り組んでいました。こういうテストを提示することで、子供にとってはなぜこの授業をやっているのかという問いの答えが生まれるのだと思います。

 

 

2 最近の若者は、、、

 

(1) 勝手に学べるのに大人が邪魔をする

 

 最近の子供は、自分で学ぼうとすれば学ぶことができる環境が整っています。一人一台の端末は用意されましたし、アクティブラーニングなどと言って学ぶ姿勢を大切にしましょうねと言われ始めましたし、何ならYouTubeなんていう何でも動画で見れるサービスを当たり前に使える環境があるのです。

 でも、大人はそれらに制限をつけようとします。いや、制限とは思っていないのです。道を作ってあげていると思っているのです。でも私はそれがエゴだと思うのです。

 完全個別指導であればその道づくりも可能ではないかと思いますが、教室という30人もの子供がいる環境で道を作っても取り残される人がいて当然だと思います。

 なので私は、一人一台の端末には極力制限を設けない方がいいと思います。最低限、「壊さない」や「勉強用に配られていることを理解する」ぐらいの制限でいいと思います。

 ここまでいうのにはもう一つ理由があります。子供は将来、自分の持っている端末で、勉強も遊びも行うことになります。勉強用の端末を専用で持つことはおそらくないでしょう。その中で、制限をするということは、遊びと勉強との区別をしなければいけないことになります。同じ端末で勉強も遊びもできる方がいいとは思いませんか?そうしたことができる人間になっていかないと、将来の成長が見込めなくなります。

 そこで子供には、できるだけ自由に、そして学びが阻害されないように協力をしてあげるべきだと思うのです。

 

(2) 学ぶ姿に敬服しちゃう

 

 本当に子供が学ぶ姿を見ているとびっくりさせられます。

 自分から勉強をして、見てほしいと提出をしてくるものだからすごいなと思います。私の自治体では、Chromebookを利用しているのですが、その中の機能の、スライドを用いて、様々な資料を作って提出してきます。

 戦争のことを調べたり、国別の力を調べたり、ディズニーのことや食べ物のこと、プログラミングのことを調べた子供もいます。このほとんどで、私は声をかけていません。自主学習です。本当に敬服しちゃいます。

私が子供の頃にこんなにも自分で学んでいたでしょうか。時代は変わりました。調べることも、まとめることも昔とは違う形で簡単にできてしまうのです。この姿勢はこれからも伸ばしてあげたいものです。

 

3 何より嫌なのは長時間労働

 

(1) 何の仕事をしているのかわからない先生

 

 職員室にいてよく思うのが、「あの先生、何の仕事をしているんだろう」ということです。中には、主任を若くして受け持っている先生もいるので、そういった先生はとても頑張っているなという印象なのですが、そうではない先生を見ると、少し苛立ちます。

 定時を過ぎてから談笑をしたり、お菓子を配ったり。いや、その時間があるなら帰りなさいよ。その時間に使ってる電気代も税金なんだぞ?と感じます。

確かに多忙化が問題視される教職ですが、自分は定時後30分ぐらいで帰ることも多いです。(一応これでも主任を3つほど持っています。)やればできますし、その上自由進度学習にも取り組んでいます。だからこそ、長時間の労働をしている先生を見ると、何の仕事をしているのか聞きたくなってしまいます。

 でもおそらく、丁寧に仕事をしているだけですし、これが普通だと思っているのだと思います。そう考えると、やはり教員は世間の考えとちょっとずれているのかもしれませんね。

 

 

(2) 定刻を過ぎてもやっている会議

 

 なぜ時間を守れないのでしょうか。決められた時間で終わらせるというのが社会人の常識です。しかし、会議や話し合いについては、時間が過ぎてもいいという暗黙の了解があるようです。当たり前のように続けるのです。この前なんか、30分の予定の会議が、1時間続き、定時が過ぎても当たり前のように続いていました。その後に部屋から真っ先に出てきたのは若手の主任二人で、それ以外の人はそれ以降も話し続け、なかなか部屋から出てきません。

 私を含めた若手衆は、この状況を見て呆れていました。改革なんてする気はないんだ、と。このままでいいのでしょうかね。

 そういう私は、朝は定時の1時間前に行き、仕事をしているので、人のことは言えないのですが、少なくとも夜遅くまで残ることには反対です。それが良いことであるという考え方を根絶すべきだと思います。

 

 

4 まぁとりあえずまとめると

 

(1) そうはいっても先生は楽しい

 

 こんなに文句を言ってきましたが、なんだかんだ先生は楽しい職業です。勤務時間と給与を少し考えてもらえれば、こんなに魅力ある仕事はないと思います。

 国の未来を作る仕事と言えるわけですし、人を感動させることも悲しませることもできるこんな仕事は他にはないと思います。

 なので私は教職を生涯の仕事にしたいと思っています。(とはいえ、お声がかかれば異動するきまんまんなのですが。)

 

(2) これからどうしていきたいかというと

 

 最後に、これからの展望を話したいと思います。まずは本名を出して活動していけるといいなと思っています。今はまだその域には達していませんが、いずれは顔出し、名前だしで活動できるぐらいの力を身につけていきたいです。

 そして、自由進度学習という、私が手に入れた魔法のツールを極めて、さらに良いものにして世の中に発信をしていきたいです。多くの方に知っていただき、もっと日の目を見てほしいなと思います。

 そして最後に、自由進度学習の研究によって、成果を出し、世間に認められることです。いずれはどこかの場で発表ができるまでになればいいなと思っています。

 

 以上が私の正直な気持ちです。この記事の内容から、今後深掘りした記事を書いていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。